
春になると、ベランダのヨモギがいっせいに勢いを取り戻してきます。
今年もその日がやってきました。ハサミと小さなボウルを持って、朝のうちに収穫へ。柔らかそうな葉先を選びながら、ひとつまみ、またひとつまみ。手に触れるたびに、あの青くて少し土臭い香りが広がります。これが春だと、毎年思います。

摘んだヨモギはざっと広げて、風の通る場所でしばらく乾かします。しんなりしてきたら、煮出し袋に詰めて保存するものと、今日すぐ使うものに分けています。


炊飯鍋の中には、玄米と雑穀米。昆布と生姜麹も加えて、そこへヨモギをどっさり。炊き上がりに蒸気といっしょに立ち上がるヨモギの香りが、この季節の楽しみのひとつになっています。

ベランダで育てていると、「使いたいときに摘めばいい」というシンプルさが心地よくて。スーパーで売っているヨモギとは、鮮度も香りもまるで違います。自分で育てて、自分で炊く。それだけのことなのに、食卓がぐっと季節に近づく気がしています。
この一鍋に、春がぎゅっと詰まっている気がします。



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